心の墓場

ここは言葉の掃き溜め、墓地のような場所。                      愚痴が中心ですので苦手な方はお笑いでも見ててください。

「まれ」に足りなかったもの

今週から始まった新しい朝ドラ「あさが来た」

第一週が今日で終わったわけですが……さすがNHK

朝から大河ドラマをやるとは……

しかも今放送中の花燃ゆと、時代がもろ被り。

両者が共食い状態にならないことを祈るばかりです(笑

 

始まりもあれば、当然終わりもある。

前期の朝ドラ「まれ」も無事?にフィナーレを迎えました。

しかし、全体的な視聴率は19.4%と、20%を切る結果となっています。

(その前の「マッサン」は21%)

たしかに「まれ」は面白いドラマではあったものの、マクロ的な展開において無理があった。というより、主人公である津村稀が『何を目指し、結果どうなった』という基本的な軸が分かりづらかった。テンポが速すぎて、話についていけないという方もいるのではないでしょうか。

 

では、結局「まれ」とはどんな話だったのか

《夢嫌いの少女が、夢を掴むまでのサクセスストーリー》

というのが恐らく当初の基本軸だったはずです

しかしそれが、公務員の話だったり父親の話(必要ですが件が長すぎ)と余計な話が多く、主人公を描ききれないまま終わったという印象がありました。これはシナリオとして致命的なのではないかと思います。どこで始まり、どこで稀をどう着地させるのかが、制作サイドの中でまとまってなかったという感じでしょうか。話がつまらなくなると、脚本の責任にする傾向がありますが、テレビは脚本家が作っているわけではありません。さまざまな人の頑張りによって作られているということを忘れないで欲しいです

 

そしてもう一つは、登場人物の扱いについて。あんなに魅力ある人物がいるのに、どうしてもっと生かそうとしないのか。こればかりは観てて少しイライラしていました。

気持ちは分からなくないですが(制作的な事情)、一番もったいないと思ったのは、稀の祖母にあたるロベールさん。パティシエを目指す女の子のおばあちゃんが、世界最高のパティシエという設定なのですが、草笛さんのギャラ的な問題もあるのか、稀との絡みが非常に少ない。同業なんだからここぞというときに、稀を導いてくれるキャラであれば、設定との整合性もとれただろう。作中では大悟がその役を担っているが、役割が被るので、キャラの作り方は素人目から見てもあまり上手ではないなと感じました。(キャラ作りにかんしてはまた今度話します)

そして一番の欠点は、稀に「ライバル」がいなかったこと。

短期的にはライバル的な人物はいたものの、物語を通しての「ライバル」はいませんでした。僕個人としてはこういった話にライバルは必要不可欠だと思っている。ライバルがいることで主人公が成長して前に進むことができる。王道だが、これをやらなかったところに少々問題を感じる。

 

しかし何だかんだ言って、1話1話は大変面白い(終盤までは

特に演出や美術のきめ細かさを感じた。

いうなら「まれ」はキャストと演出陣の一人勝ちだったといえよう。

マッサンの後釜として19%もとったのだから、あさが来たまでのクローザーとしては

かなり健闘したと思う。

しかし「まれ」に足りなかったものは主人公を引き立てる「ライバル」ではなかろうか