戦国の茶器 弐 ~天正名物伝~
人気カプセルトイ「戦国の茶器」の第二弾が遂に登場
前回と同じく小さいながらも精巧に再現されています
以前メインブログの方でも紹介したトイズキャビンさんの「戦国の茶器」
heart-graveyard.hatenablog.com
当時は結構な人気商品で、店頭に出て1か月くらいで品切れとなり、半年後くらいに再販されるなどコンプリートするのに苦労しました(汗
今回はその第二弾が発売されるとのことで、品薄になることを予測してリリース直後に回しまくり。速きこと風の如しです。
おかげさまで時間をかけず全て揃えることができましたが、今回は多く数を用意してたのか、3月現在でも残っている店舗があるみたい(発売は2月)。
再販前に手に入れるなら急いだほうが良さそうですね。
ミニシート。前弾と同じく全6種類です。
〇香炉 三足ノ蛙
織田信長が愛用したとされる香炉です。中々かわいらしいデザインをしていますね。どのような経緯で信長の手に渡ったのかは不明ですが、唐物(中国や朝鮮からの交易品)であることは判明しています。
「三つ足の蛙」とは天災を予知する中国の霊獣のことで、縁起が良いものとされています。
本能寺の変の前夜に鳴きだしたという伝承が残るほどの大名物で、現在は本能寺に所蔵されています。なんだか信長との強い縁を感じますね。
蓋をとると、蘭麝待が。前弾に切りとられたやつの破片らしいです。細かいですね……(ピントがあってなくてすいません)
〇曜変天目(稲葉天目)
奇跡の茶碗とも称される曜変天目。現存する物は世界に4点あり、その全てが日本にあります(厳密には3点とも)。
その内の一つ、稲葉天目は最高傑作であるとされ国宝に指定されています。
近代になって岩崎小弥太のコレクションとなり、岩崎家の家宝として受け継がれてきました。現在では主に岩崎家のコレクションを管理する静嘉堂文庫に所蔵されています。
〇荒木高麗
名前の通り、荒木村重が所有していた高麗茶碗。村重と言えば、信長を裏切って黒田官兵衛を幽閉したイメージのある武将ですが、利休十哲の一人として活躍した文化人でもありました。
この荒木高麗は信長が欲しがった名物とされ、信長に攻められた際もこの茶碗を持って逃げだし、秀吉の時代になって茶人として生き延びるのです。
色々と謎の多い荒木村重ですが、この茶碗がなかったら茶人という道を歩まずに人生を終えていたのかもしれません。
〇唐物茶壷 松花
茶壷とは茶葉を入れるための道具で、褒美として与えられる茶道具の中では別格の品であるとされます。特に松花は中近世を代表する茶壷であり、様々な茶会で登場したことが資料に残っています。
室町時代の管領家斯波氏からその時代の天下人に引き継がれ、最終的には徳川家の所有となりました。現在では徳川美術館に所蔵され、国の重要文化財に指定されています。
〇紹鴎茄子
利休の師匠である武野紹鴎が所持していた茶入で、底に「みをつくし」という文字があることから「みをつくし茄子」とも呼ばれています。
今井宗久、織田信長、豊臣秀吉といった文化人・天下人に愛された大名物で、現在は湯木美術館に所蔵され、国の重要文化財に指定されています。
〇初花肩衝
肩衝茶入の中でも「天下三肩衝」と呼ばれるものがあります。その内の一つが初花肩衝で、足利義政が「初花」と名付けたとされています。
日本にやってくる前は楊貴妃が油壷に使っていたという伝承が残る逸品で、足利将軍家から織田信長に献上されて以降、秀吉、家康と天下人の手に渡っていきました。当時の記録にも残されており、権力の象徴として扱われていたことが分かります。
現在は徳川記念財団が所蔵、国の重要文化財に指定されています。
全6種類の名物たち。
カプセルトイではありますが、300円でこの完成度はやっぱりすごい。
飾るもよし、フィギュアに持たせてみるもよし――
あなただけの茶会を開いてみませんか?